健康診断を受ける際には、さまざまな検査が必要です。そのため、適切な服装で臨むことが重要です。男女間の服装の違いはもちろん、受診する検査の種類によっても最適な服装は異なります。
今回は、健康診断を受ける際の服装について、男女別や検査別に解説します。
健康診断にふさわしい服装・避けるべき服装(男性・女性)
健康診断を受ける際には、適切な服装が必要です。一般的に、着脱しやすいセパレートの服装が好まれます。特に靴は、ソックスや簡単に脱ぎ履きできるものが適しています。以下は一般的な適切な服装の例です。
- セパレートのトップスとボトムス
- 簡単に脱ぎ着できる靴
- 袖口がゆったりしたプレーンなTシャツ
- 金属やプラスチックの装飾がない服や下着
など
男女ともに、シンプルな半袖Tシャツやカットソーが適しています。通気性がよく、吸湿性や保湿性に優れた綿素材がおすすめです。ラメやスパンコール、刺繍がない薄手の無地のニットも選択肢に入ります。
袖丈については血液検査では腕をまくることができるので、長袖でも問題ありませんが、胸部X線検査では下着を外す必要があるため、着脱しやすい半袖が好ましいです。寒い季節には、厚手の服を1枚着る代わりに、Tシャツにカーディガンなどを重ね着して、着脱しやすくするのがおすすめです。
健康診断の際に避けるべき服装
健康診断時には、以下の服装は避けるべきです。
- 脱ぎ着に時間のかかる服(ジーンズ、スキニーパンツなど)
- 脱ぎにくい靴(ブーツ、ストラップつきパンプスなど)
- 一体型の服(ワンピース、サロペットなど)
- 金属、プラスチック、ラメ、スパンコールがついた服や下着
- アクセサリーや磁石入り絆創膏、湿布、カイロ
健康診断の服装の注意点
健康診断では、服装が診察のスムーズさに影響します。特定の診察項目では、適していない衣服がありますので、注意が必要です。例えば、着脱が最低限できる服装であれば、診察がスムーズに進み、快適に感じられるでしょう。
また、健康診断に関するガイドラインには、適切な服装と避けるべき服装についての情報が提供されることが一般的です。
これらの指示に従うことで、診察時間の短縮や健康診断の円滑な受診が可能になります。
健康診断にふさわしい服装・避けるべき服装(男性)
男性の服装にも留意すべき点があります。健康診断の受診時に適切な服装と避けるべき服装について、以下で確認しましょう。
健康診断の際にふさわしい服装
健康診断時の男性の適切な服装は次の通りです
- トップス: TシャツまたはTシャツとワイシャツの組み合わせ
- ボトムス:ハーフパンツやジャージ
- 足元:ソックスと着脱しやすい靴
など
男性は健康診断時には白Tシャツをインナーに着用することがお勧めです。
トップスはTシャツ単体またはTシャツの下にワイシャツを着用します。ボトムスはウエストがゴム仕様のものが快適で、業務の合間や仕事の前に受診する場合、スラックスを着用している方はベルトを外しておくことが良いでしょう。
ただし、ベルトを使用する場合は、簡単に外せるものを選ぶことが重要です。検査の種類によっては靴を脱いだり素足になったりすることがあるため、足元はソックスと着脱しやすい靴を選ぶことが大切です。
健康診断の際に避けるべき服装
健康診断時には、特定の検査項目によっては特別な衣服が必要な場合もあります。例えば、心電図検査では上半身裸で受診する必要があります。
男性が避けるべき衣服には以下のものがあります。
- タイトなシャツやTシャツ:袖をまくり上げる必要がある検査では袖口が狭くてまくり上げにくいため、避けるべきです。
- ジーンズ:腕に血圧計を巻く際に圧迫感を与えるため、特に腰回りや太もも周りがタイトなジーンズは避けるべきです。
- ブーツ:脱ぎ着に時間がかかるため、待ち時間が長くなる場合があります。
健康診断の服装の注意点
仕事前や業務の合間に健康診断を受ける場合、ジャケットは事前に脱いでおくのがおすすめです。また、ネクタイや腕時計も事前に外しておくと便利です。
健康診断の際にふさわしい服装・避けるべき服装(女性)
女性が健康診断を受診する際には、服装だけでなく下着にも注意が必要です。
健康診断の際にふさわしい服装
女性が健康診断を受診する際は、男性よりも検査時間の短縮や快適な受診を考えるために、服装のコーディネーションが重要です。基本的に、上下別々の衣服を選ぶことが理想的です。
ワンピースやサロペットのような一体型の衣服は、上半身の検査や下着の外し入れが必要な検査に適していませんので避けるべきです。具体的な衣服の事例は以下の通りです。
- トップス:ゆったりしたTシャツやカットソー、Tシャツ風のインナーシャツ
- ボトムス:足元の出し入れがしやすい服装(スカートやフレアパンツなど)、ジャージ
- 下着:ブラジャー
- 足元:ソックス、着脱が簡単な靴(スニーカーやストラップなしのパンプスなど)
など
トップスはゆったりしたTシャツやカットソー、Tシャツ風のインナーシャツを外側に着ると良いでしょう。袖回りに余裕のある半袖がおすすめです。下着を外す際にバストの透けや寒さが心配な場合は、羽織りものを重ね着する必要があります。
ボトムスのウエストは、金属やプラスチックのないゴム仕様のものが適しています。また、スキニーパンツや細身のジーンズなど、タイトなボトムスは避けましょう。
検査によっては、靴を脱いだり素足になったりすることがありますので、ソックスと着脱が容易な靴を選ぶことが重要です。
心電図検査では、足首に電極を取り付けるため、ストッキングやタイツ、ブーツは避ける必要があります。
健康診断の際に避けるべき服装
健康診断時に女性が避けるべき服装は次の通りです。
- ワンピースやサロペット
- スリムジーンズやスキニーパンツ
- ブラトップ、ハーフトップ、スポーツブラ
- ストッキングやタイツ
など
ワンピースやサロペットは上下が一体になっており、個別の検査を受ける際に不便です。特に上半身の検査では服をめくる必要がある場合もあり、手間がかかります。
タイトなボトムスは脱ぎ着が難しく、下半身の検査時に制約が生じる可能性が高いです。また、金具やプラスチックパーツが付いている場合、X線検査で影響を及ぼす可能性があります。
ブラトップ、ハーフトップ、スポーツブラなどは、ホックやアジャスターがないため外しやすいですが、プラスチック製のアジャスターやカップの厚みがX線検査で影として映り込む可能性があるため、避けるべきです。
ストッキングやタイツは足元を覆っており、足首に電極を取り付ける心電図検査などで邪魔になる可能性があるため、注意が必要です。
健康診断の服装の注意点
女性が健康診断を受ける際に特に注意すべきポイントの一つが下着です。特に胸部X線検査では、ブラジャーのホックやアジャスターが検査を妨げる可能性があります。X線撮影時に金属やプラスチックの部品が影として映り込み、正確な診断が難しくなることがあるため、ブラジャーを外すよう指示されることが一般的です。
また、一部の医療機関ではブラトップやハーフトップ、スポーツブラの着用が許可されていない場合もあります。肩紐にプラスチック製のアジャスターがついていたり、カップの厚みが撮影を妨げる可能性があるためです。しかし、ブラトップを着用しても検査が可能な医療施設もあり、指示は施設によって異なります。迷った場合は、ブラジャーを着用して検査室に向かい、検査直前に外す方法が無難です。
医師による聴診時でも、ブラジャーのホックのみを外すか、下着を外すよう指示される医療機関が存在します。どちらの場合も、ブラジャーの対応が簡単です。
判断が難しい場合は、事前に受診施設に問い合わせると良いでしょう。また、業務の合間に健康診断を受ける場合は、男性と同様にジャケットを脱いでから向かうことがおすすめです。時計やアクセサリー類も事前に外しておきます。
冬場には重ね着が適していますが、かぶるタイプの服は着脱が煩わしいこともあり、時間がかかることがあるため避けましょう。従って、寒さ対策には羽織りものを活用すると良いでしょう。
検査項目ごと・服装における注意点
身体計測
身体計測では通常、身長と体重を測定します。身長計測の際は、靴を脱いで裸足で立つことが一般的です。体重計測の際は、薄着または同じ服装で行います。
診察
診察時は快適な服装を選ぶことが重要です。診察に必要な部位にアクセスしやすく、着脱しやすい服装が望まれます。特に身体の特定の部位を調べる場合、それらの部位を露出できる服装を選ぶのが良いでしょう。
血液・血圧
血液検査や血圧測定の際は、一般的には短袖または袖をまくり上げられる服装を選びます。血液検査の際に腕にゴムバンドで絞める場合があるため、袖が薄手で簡単にまくり上げられる服が便利です。
レントゲン
レントゲン検査では、金属のもの(アクセサリー、ジッパー、ベルトなど)、プラスチック(ボタンや装飾など)は外す必要があるため、医療機関では提供された検査着を着用します。
心電図
心電図を取る際は、通常は上半身を裸にするか、ノースリーブまたは袖の短い服装を着用します。電極を肌に密着させる必要があるため、厚手の服や多層服は避けます。
視力・眼底検査
視力検査の際は、メガネまたはコンタクトレンズを使用する場合はそれを持参し、検査時に使用します。眼底検査では通常特別な服装は必要ありません。
CT検査
CT検査の際は、金属製のもの(アクセサリー、ベルト、ヘアピン、時計など)はすべて外します。一般的には、病院提供の検査着を着用します。持参した服装はMRIの画像に影響を与えないよう、非金属であることが重要です。