ほとんどの人が頭痛を経験したことがあるでしょう。風邪をひいた時にも頭痛が伴うことがありますし、他の症状がないときでも、なんとなく頭が痛むことがあります。
その際、市販の頭痛薬を服用する人や、自然治癒を待つ人も多いです。実際、ほとんどの場合、頭痛は深刻なものではありません。しかし、普段と異なる頭痛や徐々に悪化する頭痛、日常生活に支障をきたすほどの強い頭痛がある場合、それは命に関わる脳疾患の兆候かもしれません。
当院は、皆様に身近で気軽に利用できるクリニックとして、お手伝いしたいと考えています。心配なことがあれば、どうぞ早めにご相談ください。
また、体を動かすことすら難しいほどの激しい頭痛が起きた場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
一時性頭痛（よくある頭痛）
片頭痛（偏頭痛）
頭がズキズキする、ズキンズキンされるなどの頭痛は、片頭痛（偏頭痛）によく見られる症状です。
片頭痛（偏頭痛）は、脳の血管が急激に広がり、周囲の三叉神経が刺激されることで引き起こされる症状です。炎症物質の生成が原因となります。頭の片側がズキンズキンと痛むのが特徴です。週末や睡眠過多など、日常的なストレスが解消された後に起こりやすいとされています。
また、ホルモンバランスの変化や疲労、強い光や音による刺激もリスク因子として挙げられます。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭全体または後頭部に締め付けられるような痛みを引き起こします。この痛みは、筋肉の緊張や心の緊張から生じることがあります。長時間のデスクワークやトラック運転など、姿勢が維持される作業や心的ストレスを感じやすい人によく見られます。
群発頭痛
「群発頭痛」は、一定期間に集中して発生する激しい頭痛の一種で、片側の目の奥が特に強く痛む特徴があります。その痛みは非常に強烈で、「えぐられるような痛み」と表現されることもあります。
痛みは通常、数十分から3時間程度続き、1日に何度も発作が起こり、1～2か月間にわたって持続することもあります。痛みの原因は血管の拡張だと考えられていますが、拡張がなぜ起こるのかについては詳細が分かっていません。発作のタイミングとしては、夜中や明け方が多い傾向があります。また、この症状は男性によく見られます。
二次性頭痛（命に関わる頭痛）
片頭痛などの「一次性頭痛」とは異なり、「二次性頭痛」は脳の疾患などが原因となって起こります。二次性頭痛の原因となる脳疾患は、時には命にかかわることもあります。普段とは異なる強烈な頭痛や、徐々に悪化する頭痛など、「いつもと違う頭痛」を感じた場合は、当院にお気軽にご相談ください。また、頭痛とともに、あるいは単独で以下のような症状がある場合は特に注意が必要です。
- ⚫︎体の片側や手足などに力が入らない感覚やしびれ
- ⚫︎言葉がうまく出せない、言葉が詰まる
- ⚫︎物が二重に見える
- ⚫︎めまいがする
- ⚫︎体が不安定でまっすぐ歩けない
- ⚫︎意識がぼんやりする
- ⚫︎吐き気や嘔吐
- ⚫︎けいれん
- ⚫︎表情のゆがみ
これらの症状が見られる場合、脳の病気の可能性があります。早めの受診と治療が重要であり、遅れると手術や後遺症のリスクが高まります。
くも膜下出血について
脳の厚い血管が破裂し、くも膜（脳を覆う膜）の下に血液がたまる状態がくも膜下出血です。強い頭痛が起こり、吐き気、嘔吐、意識障害などの症状が伴います。適切な処置を受けないまま経過すると、再出血（再破裂）が起こり、深刻な後遺症が残るリスクが高まり、最悪の場合は命を失うこともあります。くも膜下出血の約90％は、脳動脈瘤の破裂によるものです。つまり、脳動脈瘤を早期に発見することがくも膜下出血を防ぐのに効果的です。
脳出血について
脳の細い血管が破れ、出血している状態があります。突然頭痛が生じ、短時間でその強さが高まり、言葉が出づらくなり、麻痺やしびれ、吐き気、めまいなどの症状が現れることがあります。頭痛の程度は、必ずしも非常に強いわけではありません。高血圧や動脈硬化症の方には発症リスクが高い疾患です。感情の激しさや性行為、入浴、排便時などのいきみがきっかけとなり、発症することがよくあります。治療後も、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残る可能性が高いです。
脳腫瘍について
脳に腫瘍ができている状態です。腫瘍は数週間から数カ月かけて徐々に成長し、それに伴い頭痛も強くなることがあります。他にも手足の麻痺や視力障害などの症状が現れることがあります。脳腫瘍の原因は遺伝子の変異とされており、血縁のある親族に脳腫瘍の歴史がある場合は、発症リスクが高くなります。また、高たんぱく・高脂肪の食生活やストレスを抱えがちな方、喫煙習慣のある方も注意が必要です。
頭痛でお困りの方、いつもと違う痛みはご相談ください
頭痛には、脳疾患が原因である場合もあります。特に、今まで経験したことのないほどの強い頭痛や、徐々に増してくる頭痛は注意が必要です。
神戸の凌駕クリニック樋上本院では、CTを用いた精密な検査（脳ドック）により、適切な診断と治療の提供が可能です。どんな些細な変化でも、「ちょっと変だな」と感じたら、ぜひすぐにご相談ください。
