心臓を含めすべての内臓は、ストレスの増減によって働きが左右されるものです。特に近年では、新型コロナウイルス感染症の流行によってストレスが増え、胸の痛みで悩む方がいらっしゃるかと思います。
胸痛は、ストレスで自律神経が乱れることで心臓の動きがうまく行われなくなることが原因で発症します。また、胸の痛みと一緒に、動悸や不整脈も引き起こすケースもあります。
胸の痛みが現れましたら、まず楽な姿勢で安静にして、深呼吸してみましょう。ストレスによる胸の痛み・動悸・不整脈だった場合は、この方法で治まることもあります。
ただし、痛みが10分以上経過しても治まらない場合は、狭心症や心筋梗塞の可能性があるため、速やかに医療機関へ受診しましょう。
このような胸の痛みでお悩みではございませんか?
- ・チクチクするような胸の痛み
- ・胸がピリピリと痛む
- ・ギュッと胸が締め付けられるような痛み
- ・胸が重苦しい
- ・胸が圧迫されるような痛み
- ・胸の痛みだけではなく、歯や肩も痛い
胸痛の症状は個人差が大きく、痛みが持続する時間もまちまちです。「胸痛」と聞くと、「何か重大な病気が隠れているのかな」と不安になる方は多くいらっしゃるかと思います。
また逆に、一時的な胸痛がみられた方の場合、つい「気のせいだ」と思って日々過ごしてしまうことも少なくありません。 「胸痛」は、何らかの疾患が潜んでいるサインとして現れることもあります。生死に関わるほど危険な疾患が隠れていることもあるため、放置せずに受診しましょう。
胸が苦しい場合に考えられる心臓疾患
胸の苦しさが感じられる場合、心臓疾患としては以下の疾患が疑われます。もちろん、胸が苦しいからといって必ずしも心臓疾患であるというわけではありません。当院では、循環器内科として、こういった疾患の可能性も考慮しながら、診療して参ります。
狭心症
心筋での一時的な酸素不足によって、胸の苦しさや痛み、胸の圧迫感、左肩のだるさ、左の顎の痛みなどの症状を伴う病気です。 動脈硬化によるものと冠攣縮性狭心症によるものがあります、動脈硬化による狭心症の場合は、心臓カテーテルによる経皮的冠動脈形成術や心臓バイパス術が必要となります。
急性心筋梗塞
突然、20~30分にわたる激しい胸の苦しさ・痛みが生じ、心筋の壊死が進んでいる状態です。その他、冷や汗、吐き気、嘔吐などの症状が見られます。 急いで病院を受診する必要があります。
心筋炎
ウイルス、細菌、真菌への感染などを原因として、心筋に炎症を起こす病気です。 胸の苦しさ、倦怠感、吐き気、嘔吐などの症状を伴います。進行すると心不全に至り、呼吸困難や手足の冷え、胸痛などの症状が出現します。
大動脈解離
高血圧、喫煙習慣、ストレスなどに起因して血管内膜に亀裂が入り、そこに血液が流れ込むことで中膜が急激に破れていく病気です。突然の胸の痛みや苦しさ、背中の痛み、吐き気・嘔吐、意識低下などをきたします。
心房細動
よく見られる不整脈の1つであり、弁膜症や虚血性心疾患、高血圧などの生活習慣病、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)などを原因・リスク因子として発症します。 胸の苦しさ、動悸、不快感などの症状が見られるケースもあれば、無症状のケースもあります。
弁膜症
大腸脈弁、僧帽弁、三尖弁、肺動脈弁の開閉がうまくいかず、胸の苦しさや息切れ、呼吸困難、浮腫みなどの症状を伴う病気です。 治療せずにいると、心不全に至ることもあります。
胸の痛みでお悩みの方はまずご相談ください
突然、激しい胸の痛みが現れた場合は、心臓や肺に何らかの異常が発生している可能性が高いです。
激しい胸の痛みは放置せずに、速やかに救急外来へ受診してください。
「それほど強くない胸の痛み」「すぐに治まった胸の痛み」の場合でも、できるだけ循環器内科へ受診することをおすすめします。生死に関わることもあるため、まずは一度、当院までご相談ください。
当院は、循環器の専門医が在籍しており、高度な診断から治療までトータルサポートが可能です。また、心配な方は一度人間ドック(心臓ドック)で精密検査をすることをお勧めいたします。
お気軽にご相談ください。